今から Daz Studio で何かするなら Genesis 8 ベースとすることになると思いますが、なーんか地黒、というか赤黒いんです。実際に見てみましょう。デフォルトの G8F さんはこんな感じです。


環境光で陰影ができると地黒さが際立ちます。


いろいろ調整を重ねたオリジナルキャラと並べてみるとこんな感じ。左はちょっと不健康そうですが(あえてそうしている)こういう人いるよねという感じ。右はその、なんだ、ハワイ帰り?
この肌を白く、明るくして、もっと日本人っぽい自然な感じにしたいと思います。
ちなみに、大きさがずいぶん違いますが、デフォルト G8F は身長が 180 cm もあるためです。やばすぎる。左は日本人女性の平均よりちょっと低めの 155 cm です。
テクスチャ自体はそれほど暗い色ではありません。しかし、Genesis 8 では、表面の色調だけではなく皮膚から入って反射する光も表現されるようになっています。それによって体内の赤みが混じり、妙に赤黒くなっているようです。
向こうの人はなぜかやたらと日焼けに熱心なので、このほうがセクシーで美しいとかで意図的にこの地黒さになっている可能性もなくはありませんが、日本の感覚ではちょっとクセが強すぎて不便です。なんとかしましょう。
対策には 3 通りのアプローチが考えられます。
皮膚を透過率を下げるのは Parameters の Translucency Weight を下げるだけで、最も簡単ですが、肌に透明感がなく、いかにも CG といった感じになってしまいます。
体内の赤みを変更するのは Translucency Weight を上げたうえで Translucent Color と Tranmitted Color を変更するものですが、やはり透明感の問題が付きまとい、光の当たり方によってはかなり違和感が生じてしまいます。
結局、皮膚の色味をいじるのが一番いいようです。
本稿で扱う内容は Genesis 8 Male および Genesis 8 Female の双方で利用できます。
なお、この記事は「GRAPH 3D」さんの以下の記事をパクっ......参考にしています。とりあえずなんとかごまかしたいという不埒な私とは違って、豊富な経験をもとに丁寧に説明なさってくれていますので、ぜひ読んでみてください。
メリット:簡単 デメリット:自由度が低い
Surface ペイン -> Genesis 8 Female -> Skin -> Base Color Effect Scatter Transmit となっているのを Scatter Only に
Scatter Transmit と Scatter Only の違いについては、ドキュメントにいちおう記載があります.......がどうも要領を得ません。
Base Color Effect - Setting the Translucency Weight to anything other than 0 opens the Base Color Effect options. Scatter Only - Diffuse is layered over Transmission and absorbs the remainder of any unused reflectance value. Scatter & Transmit - This works like Scatter Only, except with reflection, and based according to the Base Color's RGB; however, the remainder is sent to the Transmission layer instead of absorbed.
剰余の reflectance value (???) を捨てるか Transmit に加えるかの違いのようです。名前が示唆するように単純に Transmit を無効化するわけではないようであるものの、Transmit の量に関する項目であることは間違いなさそうです。
どっちがいいのかは公式フォーラムでも繰り返し議論になっているようですが、Scatter Only に切り替えてもとりあえず不自然にはなりません。

これで一気に白くなります。
Surface ペイン -> Genesis 8 Female -> Skin -> Translucent Weight 0.6 〜 0.8 くらいにする
Translucent Weight を上げると皮膚の透過が増し、したがって表現される色は暗くなります。透明感を持たせるという意味では、ある程度高めに設定するのがよいようです。
これで色味を調整することができます。0.65 にすると以下のような感じです。

0.70 だとこんな感じ。けっこう変わります。

デフォ G8F さんの外見のクセが強すぎてよくわからないので比較対象としてオリジナルキャラにもう一度登場願うと、こんな感じです(デフォ G8F の Translucency Weight は 0.65)。


まだまだ改善の余地はありますが、とりあえずモチベーションが続く程度には自然な色合いになったのではないかと思います。
表題の「とりあえずなんとかする」ということについては、これでよいと思います。ただ、理解の便宜のため、他の可能な方法についても以下に簡単に触れておきます。
メリット:Scatter Transmit のままにできる デメリット:自由度が低い、調整が難しい
いちおう Scatter Transmit がデフォルトなので、汎用のアセットを使いまわす際などに非互換性が生じる可能性があります(が、実際の影響はよくわかりません)。この方法では、Scatter Transmit のまま同じような効果を得ることができます。
具体的には、Surfaces ペインから Genesis 8 Female -> Surfaces 以下にある各要素の Base Color で選択されている画像を「Image Editor...」から開き、ガンマ値を変更します。
自由度が低いのは Scatter Only への切り替えと同じですが、調整が難しく手間がかかります。
メリット:自由度が高い デメリット:手間とスキルを要する、コストがかかる
日本人風の市販フィギュアを購入して編集するというのもここに含まれるでしょう。肌のカスタマイズに特化した外部ツールもあるようです。
自由度は高いですが、追加のコストがかかり、使いこなすには手間とスキルが必要です。
まだ試していないので何も言えませんが、続けていれば最終的にはここに至ることになるのではないかと思います。
ここまで肌の色を調整する方法について触れてきましたが、よい結果を得るにはライティングも非常に重要です。Daz Studio では 色温度や明るさを調節可能な Spot Light や Distant Light を複数設置できます。実は Daz Studio のライティング絡みの仕様はかなり奥が深いというか混沌としていたりするのですが、今回はライティングの重要性を指摘しておくにとどめます。